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お墓の基礎知識

お墓の承継者とお墓の形式

お墓の承継者とは

pict_01永代供養墓でなければ、その墓地を使用する限り「管理料」を払い続けていかなければなりません。このような事務的な問題もあり、お墓の使用者が亡くなった場合、お墓を引き継ぐ「承継者」を立てなければなりません。その場合、民法ではお墓を使用していた人が生前に遺言などで「祭祀者」として指名した人が継承することになります。その際、継承する人は必ずしも遺産の相続人や親族である必要はなく、友人などでもかまわないことになっています。

使用者の指定がない場合はどうなるのでしょうか。この場合は慣習にしたがって承継者が決められます。家督相続制度が廃止されたとはいえ、現在になっても一般的には長男が承継者とされることが多く、お墓には祭祀の主宰者として長男の名前が彫られているようです。
相続者がだれも指名しておらず、慣習でも決められない場合、最終的には家庭裁判所が決定することになります。しかし現実には家族や親族が話し合い、亡くなった人が誰にお墓を継がせたがっていたかなどを考慮して決めることが多いでしょう。

しかしながら核家族化や少子化など私たちを取り巻く環境は大きく変化しつつあります。

長男や跡取り娘などの慣習にとらわれない祭祀者の多様化や“夫婦墓”、“両家墓”などの新しいお墓の形式をとる方も増えています。

このような形式は、そのお墓に入れられるお骨の数と関係してきますから、実際にお墓を購入する際のお墓の大きさの目安ともなるのです。

お墓の形式

家族墓

家族を祀り、子孫へ受け継いでいくお墓です。日本で一番多く見られる、最も一般的なお墓のあり方といえるでしょう。遺骨を納めるたびに、墓誌または墓碑の裏面・側面に戒名や法名・法号・俗名・没年などを列記していきます。

夫婦墓

夫婦二人を祀るお墓です。子供がいない、いてもお墓のことで迷惑をかけたくないなどの理由から、これを選ぶ夫婦が増えています。個性的なお墓も建てられており、お互いへの言葉や、自筆の俳句や絵などを刻むといった例が見られます。

個人墓

個人だけを祀るお墓です。その功績や趣味などを模したオリジナリティのある墓石が多く見られ、中には生前に建てる人もいます。建てた当時は個人墓となっていても、後から家族が一緒に祀られることを望む場合もあるようです。

両家墓

両家墓は二つの家を一つのお墓に祀り、墓石には両家の姓を刻みます。長男・長女同士の結婚などでお墓を受け継ぐ人がいない家族が増えたことで、造られるようになりました。これによって両家の結びつきが強くなったという話も聞きます。

共同墓

友人や、信仰を共にする人々を祀ったお墓です。お寺や教会が信者のために公営墓地に建てたお墓も、これに当たる場合があります。あまり知られた形式ではありませんが、これまでとは違う形態からにわかに注目されています。

永代供養墓

墓地や寺院にあり、複数の人を一緒に祀るお墓です。お墓を受け継ぐ人がいない、お墓は必要ないという人に選ばれています。遺骨の納め方には、一定期間は個々の骨壷に祀る、最初から他の人の遺骨と一緒にして祀るなどがあります。